大阪市立東洋陶磁美術館のリニューアルと開館記念展について②

今回のリニューアル開館記念展は、休館中の2年間のブランクを解消してご満足いただくために、大阪市立東洋陶磁美術館(The Museum of Oriental Ceramics, Osaka = MOCO)が世界に誇る珠玉の東洋陶磁コレクション約380点を、特別展「シン・東洋陶磁 ―MOCOコレクション」と銘打って装いを新たにご覧いたくことといたしました。タイトルの「シン」には、「新(あら)」たなミュージアムへと歩み始めること、「真(まこと)」の美しさとの出会いを体感していただくこと、「心(こころ)」がワクワクする美術作品との鑑賞体験を堪能いただくこと、という3つの思いを込めています。

大阪市立東洋陶磁美術館の所蔵品は、安宅コレクションや李秉昌(イ・ビョンチャン)コレクションなどによる、前漢時代~明時代の中国陶磁、高麗時代・朝鮮時代の韓国陶磁、主に購入により収集した奈良時代~江戸時代の日本陶磁が中心であり、部分的には近現代陶芸などが含まれます。今回の展覧会は、13の展示テーマに沿って、国宝2件、重要文化財13件などの名品およそ380件によって、中国・韓国・日本の陶磁器と若干の近現代陶芸作品により、その魅力を余すところなく展覧しております。新たな魅力と価値に出会える「シン・東洋陶磁」の展覧によって、陶磁器を見る楽しさをご堪能ください。 ★詳細はこちら https://www.moco.or.jp/exhibition/upcoming/?e=596 守屋雅史(もりや まさし) 略歴 1956年生まれ 東京都葛飾区出身 静岡大学人文学部人文学科(日本史学専攻、考古学)入学 名古屋大学大学院文学研究科博士課程前期(考古学専攻)修了 1983年 大阪市立美術館学芸員就任(陶磁器担当) 2017年 神戸松蔭女子学院大学文学部教授 2022年 大阪市立東洋陶磁美術館館長就任、現在に至る 専門分野は、東洋陶磁史(主として宋元明時代の磁州窯系陶器、明清時代の青花・五彩磁器、日本の煎茶文化史(主として煎茶道具に関する研究)など。 主な著作・論文には、「煎茶のやきもの-清風の賞玩」『淡交ムック 初心者のためのやきもの鑑賞入門 -見かたが分かるやきものの基本-』淡交社(2000)、「磁州窯系陶器の流れ」『別冊太陽 中国やきもの入門』平凡社(2009)、[『青湾茶会図録』にみる煎茶器の取り合わせについて]『野村美術館研究紀要』第16号 野村文華財団(2007)、「磁州窯系陶器の装飾技法に関する試論」『大阪市立美術館紀要』第12号 大阪市立美術館(2012)など。